顧客生涯価値とは、LTV(Life time value)ともいい、一人の顧客が生涯で企業にとってどれだけの価値をもたらしたかを表す。顧客生涯価値はある顧客が生涯でもたらした利益から、その顧客を維持するために企業が支払ったコストを差し引いて計算される。
顧客が生涯でもたらした利益を計算するには、平均購買単価x購買頻度x継続購買期間で算出ができ、この数値から、顧客の新規獲得の際にかかったコストと、維持コストを引くことで顧客生涯価値を計算することができる。
リレーションシップマーケティングとともに、市場の成熟と縮小に伴う新規顧客開拓のコストの高騰化により浸透した概念である。
顧客生涯価値は概念としては、個々人の顧客がどれだけの価値をもたらしたか、という数値だが実際に、一人一人の購買金額、顧客維持に使われたコストを算出するのは不可能であるため、顧客全体のデータをもとに算出される。
顧客生涯価値を上げるためには、4つの方法がある。
1.顧客の平均購買単価を上げる。
2.顧客の購買頻度を上げる。
3.顧客の継続購買期間を延ばす。
4.顧客獲得、維持のコストを下げる。
これらの4つを実現するために企業は様々な工夫を凝らしている。例えば購買単価をあげれば自ずと購買の頻度は下がりがちになるが、一括ではなく、月額で商品の支払いをさせることによって購買単価が高額でも購買の頻度を上げることができる。また一定期間で新しいバージョンの商品をリリースすることで、新しい機能、見た目、話題性などを求めて、ファン新商品を購入するので、企業が購買頻度をコントロールすることができる。これらの手法はどちらもスマートフォン業界において行われているマーケティング戦略だ。
このように様々な方法で顧客生涯価値を向上させることができるが、最も効率的に4つ全てを満たすことができる戦略が、理念共感型マーケティングだ。
これは企業の提供するサービスや、商品ではなく、企業理念、メッセージ性、コンセプトを中心に発信し、それに共感するコアなファンを作っていくというマーケティング戦略である。
この戦略をとることで、細かいマーケティング施策を実施しなくとも、高額単価の商品を売り、購買頻度を上げ、継続購買期間を延ばし、顧客維持のコストを下げることができる。
CLTV
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顧客生涯価値