マーケットインとは

2017年4月5日

マーケットインとは

マーケットインとは、顧客のニーズ、要望、要求をもとに、商品、サービスを企画し、提供すると言う考え方、または戦略の事を指す。

解説

マーケットインの考え方は、高度経済成長が終焉を迎え、売り手主導で動いてきた市場が、買い手主導へと変わっていく中で生まれた考え方である。

1990~2000年代に、日本ではプロダクトアウトの時代は終わり、マーケットインこそが正しい考え方だという風潮が広まった。
しかし海外で はこの考えは受け入れられず、今の日本の市場は、海外のイノベーティブなプロダクトアウト思考の企業に押されつつある。

マーケットインのメリットは顧客の欲しいものを提供しているので、「売れる」ことにある。
デメリットは、顧客はあくまで素人であり、彼らの要望はイノベーティブな商品には繋がらず、競合に真似されてしまうような商品しか生まれないことにある。

このためマーケットイン思考のみで開発されたモノはコモディティ(商品)化しやすい。

一方、対比としてプロダクトアウトがあるが、プロダクトアウトは企業の技術や、アイディアをもとに商品を開発するので、新しい商品、イノベーティブな商品が生まれやすいことにある。
デメリットとしては、顧客の要望や要求に基づいて開発していないために、受け入れられず、売れない可能性もあり、博打になるということである。

メリットデメリットを見ていくと、マーケットイン、プロダクトアウトという考え方は対比論ではなく、どちらの考えも一長一短であり、これらの考え方は、商品開発、新規事業開発を行うにあたっての、「きっかけ」でしかない。

実際に近年、これらを対比して考えること自体が間違っているという考えが浸透してきている。

顧客に選ばれる、本当に良い商品、サービスを生み出すのに必要なのは、「誰」の「喜び」のために、「どんな強み」を活かすかということ である。
そして最も重要なのは、それを「なぜ」自社がやるのか、という「目的」である。
この「なぜ」というストーリー性がなければ、継続的に自社の商品を購入してくれる「ファン」を作ることは難しい。